義妹の手編み [雑記]
主人の妹(オデコと同年齢)15年前の話です。
当時義妹は、5月連休で田植え真っ最中。
最後の苗を軽トラックに積み、
家人が居る田んぼに到着・苗箱を下ろしてる時、
崩れるように田んぼの中に倒れました。
それを偶然見ていた家人はすぐに義妹の所に駆け寄ったものの、
当時は携帯電話を持つてる人は少なくて、
たまたま隣接の田んぼで田植え中の人が通報してくれました。
くも膜下出血でした。
その日から義妹家族は毎日病院通いです。
主人は会社を定時で帰宅し、私も共に病院へ。
毎日の面会からの帰り際、「また明日来るね」と
耳元で声をかけてきました。
意識不明21日目のとき。同じように声をかけたところ、
主人が「おい、足の指が動いた!!」と。
そして手の指も動きました。
感動で震えました。とても長い21日間でした。
翌日以降、日増しに元気になっていきました。
ある日の面会のとき。主人が声をかけました。
「A子、わかるか?」
すると、
「うん、兄ちゃん?」
と、笑顔で返ってきました。
回復が進んでリハビリ専門病院に転院しました。
おかげさまで寝たきりにならず
家のことは健康な人と変わり無く過ごしていますが、
・・・過去の事はポツポツと記憶が抜けています。
あれから15年が経ち、今年で75歳です。
10年前から市内のデイサービスにお世話になっていて、
その帰り道に我が家があるものだから、
数カ月に一度、顔を見せに立ち寄ってくれます。
お茶を飲みながら会話をして、畑で採れたもの、
デイサービスで作ったものなどを置いて帰っていきます。
今回はデイサービスで作った手芸品を持ってきてくれました。
「ねえさんに持ってきた。好きなのとって」と。
レース糸で編んだピンクとグレーの袋物を選びました。
気性の激しく口八丁手八丁な義妹でしたが、手先は器用でした。
それは変わっていません。丁寧に編まれていて、
小さなペットボトルがピッタリ入る袋です。
水を入れて持ち歩いています。
義妹とは、長いこと仲がいいとは言えない関係でしたが、
病で倒れる直前は距離が縮んでいたんです。
パソコンを教えて欲しいと言われ私もその気でいましたし、
流氷を一緒に見に行こうと誘われてもいました。
義妹のことをこうしてブログに書くなんて夢にも思いませんでした。
今は清々しい心持ちです。